訪問カウンセラーとして日々ご家庭を訪問する中で、小学生や中学生の保護者の方から「うちの子、HSC(Highly Sensitive Child)なんです」とご相談いただくことが増えています。
お子さん自身が自分の過敏さに気づいていることは実は少なく、多くの場合はご家庭での様子から親御さんが感じ取り、相談につながっているようです。
HSCの子にとって、高校の環境は予想以上にストレスの多い場所になることがあります。
今回は、「今の高校に合わないかもしれない」「転校を考えているけれどどうすればいいかわからない」——そんな悩みを抱える保護者の方に向けて、HSCの子どもが安心して通える学校選びのポイントをご紹介します。
HSCの高校生が学校生活で抱えやすい悩み

まずはHSCの子が学校生活で抱えやすい悩みについて見て行きましょう。
担任やクラスメイトとの距離感
教室のざわざわした雰囲気や騒音
通学の満員電車や朝の慌ただしさ
テストや提出物への強いプレッシャー
グループ活動や体育など、対人関係の多い授業
「合わない」と感じても言い出せず、自分を責めてしまう
HSCの子どもにとっては、「我慢すれば慣れる」ではなく、「毎日が精一杯」という状態になってしまうこともあるのです。
無理を続けるより、「合う学校を探す」という選択肢を

「せっかく入った高校なのに」「1年も経っていないのに転校なんて…」と、親としては悩んで当然です。
HSCの特性には、神経発達症(発達障害)と重なるような面も見られることがあり、診断名にとらわれて思い詰めてしまう保護者の方もいらっしゃいます。
しかし、私たちは「診断名よりも、その子に合った支援」が大切だと考えています。無理のない関わり方や安心できる環境づくりが、結果的にお子さんにもご家族にも良い方向につながることが多いと感じています。
今の学校で心や体が限界を迎えてしまうより、本人が安心できる環境に切り替える方が、長い目で見れば前向きな選択になることもあると、長年たくさんのご家庭を見てきて思うのです。
HSCの子どもは「がんばり屋さん」であることが多く、「転校したい」と言えたときには、もうかなり無理を重ねていることがほとんどです。
そのサインを見逃さず、「一度立ち止まってもいいんだよ」と伝えることは、子どもにとって大きな救いになります。
HSCの高校生に合った学校の特徴

HSCの子は、一般的に以下のような特徴の高校が合いやすいと言われています。
少人数・アットホームな雰囲気
個別対応・柔軟な出席管理
静かな環境・穏やかな校風
多様な通学スタイルに対応している
そして、日々HSCのお子さんと接していて共通して感じるのは、「自分に自信がない」という点です。
たとえ周囲の子が優しく接してくれていても、「見下されているのでは」と受け取ってしまい、心に壁を作ってしまうことがあります。
だからこそ訪問カウンセリングの際には、ほんの些細なことでも見逃さずに褒めたり、認めたりすることを大切にしています。
そういった、1人1人をしっかり見てくれる学校がHSCの子には合っていると感じます。
学校選び・転校先を見極めるポイント

HSCの高校生の学校選びの際は、以下のポイントを確認してみましょう。
オープンスクールや個別相談で「空気感」を確かめる
在校生・卒業生の声を探してみる
サポート体制の確認
「進学実績」より「子どもに合うかどうか
「百聞は一見に如かず」という言葉がありますが、やはりネットで調べることと、実際に足を運んで見てみることは違います。
同じ名前の学校でも、校舎や学年によって雰囲気が大きく異なることもあり、男女比や生徒の傾向も違います。
そのため、実際に足を運んで話を聞いたり、体験したりすることをおすすめしています。
HSCの子どもを育てるということ ~親だって悩んでいい~

HSCの子どもは、感受性が高く、親のちょっとした表情や言葉にも敏感に反応します。
「うちの子だけが弱いのかも…」「育て方を間違えたのでは?」と、自分を責めてしまうこともあるかもしれません。
でも、HSCの子どもを育てるというのは、“繊細な世界を持つ子ども”に丁寧に寄り添っていく、根気のいるけれどかけがえのない子育てです。
親が完璧である必要はありません。大切なのは、子どもを理解しようとする姿勢と、親自身が支えを求めることをためらわないことです。
HSCの子だけではなく、その保護者の方も、より良い子育てについて非常によく考え、悩んでおられる方が多いです。
私たちは、お子さんの自己肯定感や自己効力感を高める関わり方のアドバイスを通じて、保護者の方も「こういうときは、こう対応すればいいんだ!」と悩みが解決して、気持ちを軽くして子育てができるサポートを続けていきたいと思っています。
一人で悩まないでください ~家庭教育推進協会のカウンセリングをご活用ください~

「転校を考えているけれど、本当にそれでいいのか不安…」
「HSCという特性をどう受け止めたらいいかわからない」
「どう接すれば、子どもが安心して心を開いてくれるのだろう?」
そんなときは、家庭教育推進協会のカウンセリングをご利用ください。
私たちは、不登校や繊細な気質を持つ子どもたちと、そのご家庭を長年支援してきた専門機関です。
訪問カウンセリングでは、課題の取り組みのサポートや、スクーリングへの送り出し、必要に応じて送迎を行うこともあり、専門機関だからこそできる寄り添いやサポートをしています。
一人ひとりに合った形での関わりを大切にしながら、無理なく社会とのつながりを持てるよう、これからも寄り添った支援を心がけていきたいと思っています。
もし当協会のサポートにご興味がある方は、初回の電話相談は無料で行っておりますので、初回無料電話カウンセリングでお子さんの状態やご家庭の状況に応じて、今できること、今考えるべきことを一緒に整理したりもできますのでご利用くださいね。